そんな烈しい吹き降りの中にも、汽車は国境に近い山地にかかると、何度も切り換えのために後戻りしはじめた。
その度毎に、外の景色の殆ど見えないほど雨に曇った窓の内で、旅に慣れない圭介は、何だか自分が全く未知の方向へ連れて行かれるような思いがした。
汽車が山間らしい外の駅と少しも変らない小さな駅に著いた後、危く発車しようとする間際になって、それが療養所のある駅であるのに気づいて、圭介は慌てて吹き降りの中にびしょ濡れになりながら飛び下りた。
そんな烈しい吹き降りの中にも、汽車は国境に近い山地にかかると、何度も切り換えのために後戻りしはじめた。
その度毎に、外の景色の殆ど見えないほど雨に曇った窓の内で、旅に慣れない圭介は、何だか自分が全く未知の方向へ連れて行かれるような思いがした。
汽車が山間らしい外の駅と少しも変らない小さな駅に著いた後、危く発車しようとする間際になって、それが療養所のある駅であるのに気づいて、圭介は慌てて吹き降りの中にびしょ濡れになりながら飛び下りた。