途中の、或病室の扉が半開きになっていた。
通りすがりに、何の気なしに中を覗いて見ると、つい鼻先きの寝台の上に、若い男の、薄い顎髭を生やした、蝋のような顔が仰向いているのがちらりと見えた。
向うでも扉の外に立っている圭介の姿に気がつくと、その顔の向きを変えずに、鳥のように大きく見ひらいた眼だけを彼の方へそろそろと向け出した。
途中の、或病室の扉が半開きになっていた。
通りすがりに、何の気なしに中を覗いて見ると、つい鼻先きの寝台の上に、若い男の、薄い顎髭を生やした、蝋のような顔が仰向いているのがちらりと見えた。
向うでも扉の外に立っている圭介の姿に気がつくと、その顔の向きを変えずに、鳥のように大きく見ひらいた眼だけを彼の方へそろそろと向け出した。