圭介は漸っと廊下で一人の看護婦を捉えて訊くと、菜穂子のいる病棟はもう一つ先の病棟だった。
教わったとおり、突き当りの階段を上がると、ああ此処だったなと前に妻の入院に附添って来たときの事を何かと思い出し、急に胸をときめかせながら菜穂子のいる三号室に近づいて行った。
事によったら、菜穂子もすっかり衰弱して、さっきの若い喀血患者のような無気味なほど大きな眼でこちらを最初誰だか分からないように見るのではないかと考えながら、そんな自身の考えに思わず身慄いをした。
圭介は漸っと廊下で一人の看護婦を捉えて訊くと、菜穂子のいる病棟はもう一つ先の病棟だった。
教わったとおり、突き当りの階段を上がると、ああ此処だったなと前に妻の入院に附添って来たときの事を何かと思い出し、急に胸をときめかせながら菜穂子のいる三号室に近づいて行った。
事によったら、菜穂子もすっかり衰弱して、さっきの若い喀血患者のような無気味なほど大きな眼でこちらを最初誰だか分からないように見るのではないかと考えながら、そんな自身の考えに思わず身慄いをした。