いつもその夕方の列車は、彼の足もとから無数の落葉を舞い立たせながら、一瞬にして通過し去った。
その間、彼が食い入るような眼つきで一台一台見送っていたそれらの客車と共に、彼の内から一日じゅう何か彼を息づまらせていたものが俄かに引き離され、何処へともなく運び去られるのを、彼は切ないほどはっきりと感ずるのだった。
十五
いつもその夕方の列車は、彼の足もとから無数の落葉を舞い立たせながら、一瞬にして通過し去った。
その間、彼が食い入るような眼つきで一台一台見送っていたそれらの客車と共に、彼の内から一日じゅう何か彼を息づまらせていたものが俄かに引き離され、何処へともなく運び去られるのを、彼は切ないほどはっきりと感ずるのだった。
十五