十八
冬空を過った一つの鳥かげのように、自分の前をちらりと通りすぎただけでその儘消え去るかと見えた一人の旅びと、……その不安そうな姿が時の立つにつれていよいよ深くなる痕跡を菜穂子の上に印したのだった。
その日、明が帰って行った後、彼女はいつまでも何かわけのわからない一種の後悔に似たものばかり感じ続けていた。
十八
冬空を過った一つの鳥かげのように、自分の前をちらりと通りすぎただけでその儘消え去るかと見えた一人の旅びと、……その不安そうな姿が時の立つにつれていよいよ深くなる痕跡を菜穂子の上に印したのだった。
その日、明が帰って行った後、彼女はいつまでも何かわけのわからない一種の後悔に似たものばかり感じ続けていた。