それから彼女は暫く考え深そうに目をつぶっていたが、気がついて夕方の検温をし、相変らず七度二分なのを確かめると、寝台に横になった儘、紙と鉛筆をとって、いかにも書く事がなくて困ったような手つきで姑への返事を書き出した。
――「きのうきょうのこちらのお寒いことと云ったらとても話になりません。
しかし、療養所のお医者様たちはこちらで冬を辛抱すればすっかり元通りの身体にしてやるからと云って、お母様のおっしゃるようになかなか家へは帰してくれそうにもないのです。
それから彼女は暫く考え深そうに目をつぶっていたが、気がついて夕方の検温をし、相変らず七度二分なのを確かめると、寝台に横になった儘、紙と鉛筆をとって、いかにも書く事がなくて困ったような手つきで姑への返事を書き出した。
――「きのうきょうのこちらのお寒いことと云ったらとても話になりません。
しかし、療養所のお医者様たちはこちらで冬を辛抱すればすっかり元通りの身体にしてやるからと云って、お母様のおっしゃるようになかなか家へは帰してくれそうにもないのです。