堀辰雄 『菜穂子』 が、そのうちに彼はひょいと森の梢を仰いだ。 梢はまだ昏れずにいた。 そして大きな樺の木の、枯れ枝と枯れ枝とがさし交しながら薄明るい空に生じさせている細かい網目が、不意とまた何か忘れていた昔の日の事を思い出させそうにした。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア