山の中の小さな駅では人々の目を惹いた彼女の都会風な身なりは、今、此の町なかでは他の人々と殆ど変らないものだった。
只、山の療養所からそっくりその儘持ち帰って来たような顔色の蒼さだけは、妙に他の人々と違っているように思え、それだけはどうにもならないように彼女はときどき自分の顔へ手をやっては何かごまかしでもするように撫でていた。
突然自分の前に誰かが立ちはだかったような気がして、菜穂子は驚いて顔を上げた。
山の中の小さな駅では人々の目を惹いた彼女の都会風な身なりは、今、此の町なかでは他の人々と殆ど変らないものだった。
只、山の療養所からそっくりその儘持ち帰って来たような顔色の蒼さだけは、妙に他の人々と違っているように思え、それだけはどうにもならないように彼女はときどき自分の顔へ手をやっては何かごまかしでもするように撫でていた。
突然自分の前に誰かが立ちはだかったような気がして、菜穂子は驚いて顔を上げた。