午後、海竜王寺にて
天平時代の遺物だという転害門から、まず歩き出して、法蓮というちょっと古めかしい部落を過ぎ、僕はさもいい気もちそうに佐保路に向い出した。
此処、佐保山のほとりは、その昔、――ざっと千年もまえには、大伴氏などが多く邸宅を構え、柳の並木なども植えられて、その下を往来するハイカラな貴公子たちに心ちのいい樹蔭をつくっていたこともあったのだそうだけれど、――いまは見わたすかぎり茫々とした田圃で、その中をまっ白い道が一直線に突っ切っているっきり。
午後、海竜王寺にて
天平時代の遺物だという転害門から、まず歩き出して、法蓮というちょっと古めかしい部落を過ぎ、僕はさもいい気もちそうに佐保路に向い出した。
此処、佐保山のほとりは、その昔、――ざっと千年もまえには、大伴氏などが多く邸宅を構え、柳の並木なども植えられて、その下を往来するハイカラな貴公子たちに心ちのいい樹蔭をつくっていたこともあったのだそうだけれど、――いまは見わたすかぎり茫々とした田圃で、その中をまっ白い道が一直線に突っ切っているっきり。