それから僕は、東の方、そこいら一帯の田圃ごしに、奈良の市のあたりにまだ日のあたっているのが、手にとるように見えるところまで歩いて往ってみた。
僕は再び木橋の方にもどり、しばらくまた自分の仕事のことなど考え出しながら、すこし気が鬱いで秋篠川にそうて歩いていたが、急に首をふってそんな考えを払い落し、せっかくこちらに来ていて随分ばかばかしい事だと思いながら、裏手から唐招提寺の森のなかへはいっていった。
金堂も、講堂も、その他の建物も、まわりの松林とともに、すっかりもう陰ってしまっていた。
それから僕は、東の方、そこいら一帯の田圃ごしに、奈良の市のあたりにまだ日のあたっているのが、手にとるように見えるところまで歩いて往ってみた。
僕は再び木橋の方にもどり、しばらくまた自分の仕事のことなど考え出しながら、すこし気が鬱いで秋篠川にそうて歩いていたが、急に首をふってそんな考えを払い落し、せっかくこちらに来ていて随分ばかばかしい事だと思いながら、裏手から唐招提寺の森のなかへはいっていった。
金堂も、講堂も、その他の建物も、まわりの松林とともに、すっかりもう陰ってしまっていた。