しかしながら、此のうら若い少女の細っそりとしたすがたをなすっていられる菩薩像は、おもえば、ずいぶん数奇なる運命をもたれたもうたものだ。
――「百済観音」というお名称も、いつ、誰がとなえだしたものやら。
が、それの示すごとく古朝鮮などから将来せられたという伝説もそのまま素直に信じたいほど、すべてが遠くからきたものの異常さで、そのうっとりと下脹れした頬のあたりや、胸のまえで何をそうして持っていたのだかも忘れてしまっているような手つきの神々しいほどのうつつなさ。
しかしながら、此のうら若い少女の細っそりとしたすがたをなすっていられる菩薩像は、おもえば、ずいぶん数奇なる運命をもたれたもうたものだ。
――「百済観音」というお名称も、いつ、誰がとなえだしたものやら。
が、それの示すごとく古朝鮮などから将来せられたという伝説もそのまま素直に信じたいほど、すべてが遠くからきたものの異常さで、そのうっとりと下脹れした頬のあたりや、胸のまえで何をそうして持っていたのだかも忘れてしまっているような手つきの神々しいほどのうつつなさ。