あれをよんでから、もっといろんな狐の話をよみたくなって、霊異記や今昔物語などを捜して買ってきてあったが、けさ起きしなにその本を手にとってみているうちに、そんな狐の話ではないが、そのなかの或る物語がふいと僕の目にとまった。
それは一人のふしあわせな女の物語。
――自分を与え与えしているうちにいつしか自分を神にしていたようなクロオデル好みの聖女とは反対に、自分を与えれば与えるほどいよいよはかない境涯に堕ちてゆかなければならなかった一人の女の、世にもさみしい身の上話。
あれをよんでから、もっといろんな狐の話をよみたくなって、霊異記や今昔物語などを捜して買ってきてあったが、けさ起きしなにその本を手にとってみているうちに、そんな狐の話ではないが、そのなかの或る物語がふいと僕の目にとまった。
それは一人のふしあわせな女の物語。
――自分を与え与えしているうちにいつしか自分を神にしていたようなクロオデル好みの聖女とは反対に、自分を与えれば与えるほどいよいよはかない境涯に堕ちてゆかなければならなかった一人の女の、世にもさみしい身の上話。