――自分のひそかに通っていた軽の村の愛人が急に死んだ後、或る日いたたまれないように、その軽の村に来てひとりで懊悩する、そのおりの挽歌でありますが、その長歌が「……軽の市にわが立ち聞けば、たまだすき畝傍の山に鳴く鳥の声も聞えず。
たまぼこの道行く人も、ひとりだに似るが行かねば、すべをなみ、妹が名呼びて袖ぞ振りつる」と終わると、それがこういう二首の反歌でおさめられてあります。
秋山の黄葉を茂み迷はせる妹を求めむ山路知らずも
――自分のひそかに通っていた軽の村の愛人が急に死んだ後、或る日いたたまれないように、その軽の村に来てひとりで懊悩する、そのおりの挽歌でありますが、その長歌が「……軽の市にわが立ち聞けば、たまだすき畝傍の山に鳴く鳥の声も聞えず。
たまぼこの道行く人も、ひとりだに似るが行かねば、すべをなみ、妹が名呼びて袖ぞ振りつる」と終わると、それがこういう二首の反歌でおさめられてあります。
秋山の黄葉を茂み迷はせる妹を求めむ山路知らずも