……そういうさまざまな心のはたらきが、ほとんど無意識的に行われて、なんの造作もなくすうっと素直に歌になったところに、万葉集のなかのすべての挽歌のいい味わいがあるのだろうと思われます。
軽の村の愛人の死をいたんだ歌とならんで、もう一首、人麻呂がもうひとりの愛人(こちらの愛人とは同棲をし、子まであった)の死を悲しんだ歌があり、それにも死者に対する同様の考えかたが見られます。
「……大鳥の羽がひの山に、わが恋ふる妹はいますと人のいへば、岩根さくみてなづみ来し、よけくもぞなき。
……そういうさまざまな心のはたらきが、ほとんど無意識的に行われて、なんの造作もなくすうっと素直に歌になったところに、万葉集のなかのすべての挽歌のいい味わいがあるのだろうと思われます。
軽の村の愛人の死をいたんだ歌とならんで、もう一首、人麻呂がもうひとりの愛人(こちらの愛人とは同棲をし、子まであった)の死を悲しんだ歌があり、それにも死者に対する同様の考えかたが見られます。
「……大鳥の羽がひの山に、わが恋ふる妹はいますと人のいへば、岩根さくみてなづみ来し、よけくもぞなき。