――人は死んでしばらくの間は山の奥などに生きているときとすこしも変らない姿をして暮らしているものだと、老人などのいうことを聞いて、亡くなった妻恋いしさのあまりに、もしやとおもって、岩を踏み分けながら、骨を折って山のなかを捜してみたが、それも空しかった。
ひょっとしたら在りし日さながらの妻の姿をちらりとでも見られはすまいかと思っていたが、ほんの影さえも見ることができなかった。
――これはその長歌の後半をなしている部分ですが、ここにも人麻呂の死に対する同様の観念があらわれております。
――人は死んでしばらくの間は山の奥などに生きているときとすこしも変らない姿をして暮らしているものだと、老人などのいうことを聞いて、亡くなった妻恋いしさのあまりに、もしやとおもって、岩を踏み分けながら、骨を折って山のなかを捜してみたが、それも空しかった。
ひょっとしたら在りし日さながらの妻の姿をちらりとでも見られはすまいかと思っていたが、ほんの影さえも見ることができなかった。
――これはその長歌の後半をなしている部分ですが、ここにも人麻呂の死に対する同様の観念があらわれております。