でも、「大鳥の羽がひの山」などというその山の云いあらわしかたには一種の同情をもちます。
翼を交叉させている一羽の大きな鳥のような姿をした山、――何処にあるのだか分からないけれども、なんだかそんな姿をした山が何処かにありそうな気がする、そんな心象を生じさせるだけでもこの山の名ひとつがどんなに歌全体に微妙に利いているか分かりません。
いろいろな学者が「大鳥の」を枕詞として切り離し、「羽買山」だけの名をもった山をいろいろな文献の上から春日山の附近に求めながら、いまだにはっきり分からないでいるようであります。