そんな谷の奥の、海の口という最後の村を過ぎてからも、ガソリン・カアはなおも千曲川にどこまでも沿ってゆくように走りつづけていたが、急に大きなカアブを描いて曲がりながら、楢林かなんぞのなかを抜けると、突然ぱあっと明かるい、広々とした高原に出た。
そうしてまだ雪もかなり沢山残っているその草原の向うの一帯の森のうえに、真白な八つが岳――そのうちでも立派な赤岳と横岳とが並んで聳え立っていた。
「高原というのは、こうやってそこへ出た時の最初の瞬間がなんとも云えず印象的でいいな。
そんな谷の奥の、海の口という最後の村を過ぎてからも、ガソリン・カアはなおも千曲川にどこまでも沿ってゆくように走りつづけていたが、急に大きなカアブを描いて曲がりながら、楢林かなんぞのなかを抜けると、突然ぱあっと明かるい、広々とした高原に出た。
そうしてまだ雪もかなり沢山残っているその草原の向うの一帯の森のうえに、真白な八つが岳――そのうちでも立派な赤岳と横岳とが並んで聳え立っていた。
「高原というのは、こうやってそこへ出た時の最初の瞬間がなんとも云えず印象的でいいな。