気まぐれな雪よ、旅びとの去ったあとも、もうすこし木曾の山々にふっておれ。
もうすこしの間でいい、旅びとがおまえの雪のふっている姿をどこか平原の一角から振りかえってしみじみと見入ることができるまで。
そんな考えに自分がうつけたようになっているときだった、ひょいとしたはずみで、僕は隣りの夫婦づれの低い話声を耳に挿さんだ。
気まぐれな雪よ、旅びとの去ったあとも、もうすこし木曾の山々にふっておれ。
もうすこしの間でいい、旅びとがおまえの雪のふっている姿をどこか平原の一角から振りかえってしみじみと見入ることができるまで。
そんな考えに自分がうつけたようになっているときだった、ひょいとしたはずみで、僕は隣りの夫婦づれの低い話声を耳に挿さんだ。