橇の上にて
そこの小屋のなかで待っていてくれと云われるまま、しばらく五六人の馭者らしい人たちの間に割りこんで、手もちぶさたそうに炉の火にあたっていたが、みんなの吹かしている煙草にむせて急に咳が出だしたので、僕は小屋のそとに出ていって、これから自分のはいってゆこうとする志賀山の案内図をながめたり、小さな雪がちらちらとふっているなかを何んとなく歩いてみたりしていた。
雪の質は乾いてさらさらとしているし、風もないので、零下何度だか知らないけれど、寒さはそうひどく感ぜられなかった。
橇の上にて
そこの小屋のなかで待っていてくれと云われるまま、しばらく五六人の馭者らしい人たちの間に割りこんで、手もちぶさたそうに炉の火にあたっていたが、みんなの吹かしている煙草にむせて急に咳が出だしたので、僕は小屋のそとに出ていって、これから自分のはいってゆこうとする志賀山の案内図をながめたり、小さな雪がちらちらとふっているなかを何んとなく歩いてみたりしていた。
雪の質は乾いてさらさらとしているし、風もないので、零下何度だか知らないけれど、寒さはそうひどく感ぜられなかった。