橇の中にいて、小さな幌の穴から、空を見あげていると、無数の細かい雪がしっきりなしに、いかにも愉しげな急速度でもって落ちてくる。
そうやってなんの音も立てずに空から落ちてくる小さな雪をじいっと見入っていると、その愉しげな雪の速さはいよいよ調子づいてくるようで、しまいにはどこか空の奥のほうでもって、何かごおっという微妙な音といっしょになってそれが絶えず涌いているような幻覚さえおこってくるようだ。
大きな壺に耳をあてていると、その壺の底のほうからごおっといって無数の音響が絶えまなしに涌きあがっている。