その日は、私は二三日前或る友人の送ってくれた、そのお古の、すこし小さくて私の体によく合わない、高等学校の制服をちょこんと着ていたし、おまけに空気銃などを肩にしていたので、そんな私の後姿がいかにもその娘に滑稽に見えそうでならなかった。
自分の家へ帰って来てからも、私は何もしないで、窓のすぐ向うの井戸端で、鶏が騒いだり、水を汲みに来ている女たちが口々にしゃべっているのをぼんやりと聞いていた。
いつもは私の聞きづらがっている、それらの田舎言葉さえ、何んだか遠い見知らない土地に来てそれを聞いてでもいるかのように、私にはなつかしく思われた。