遠くからその全体を見渡したときは、なんだか此処もこの数年間にすっかり変ってしまっているように思えた。
それほど見知らない大きな工場が、沢山出来てしまっているのだ。
が、その村を二等分している真っ黒な掘割に沿うてすこし行き出すや否や、ことにその上に架っている多くの小さな木の橋と橋との間に、いまを盛りにコスモスが咲きみだれ、そしてその側に誰もいないのに四つ手網だけがかかっているのを見出した時には、突然、その村でのさまざまな思い出が私のうちに一どきに蘇って来て、私は心臓がしめつけられるような気がした。