父方の上条家の代々の墓なのである。
上野の寺侍だったという祖父、やはり若いうち宮仕えをしていたという祖母、明治のころ江戸派の彫金師として一家を成していたという伯父などと、私の見たことさえもないような人たちの間になって、震災で五十一の年に亡くなった私の母は、そこに骨を埋めているのである。
私と妻とは、その墓を前にして、寺男のくるのをしばらくぼんやりと待っていた。
父方の上条家の代々の墓なのである。
上野の寺侍だったという祖父、やはり若いうち宮仕えをしていたという祖母、明治のころ江戸派の彫金師として一家を成していたという伯父などと、私の見たことさえもないような人たちの間になって、震災で五十一の年に亡くなった私の母は、そこに骨を埋めているのである。
私と妻とは、その墓を前にして、寺男のくるのをしばらくぼんやりと待っていた。