夕方、ようやく薫さんの癪もおさまり、浜之助が連れもどることになって、皆して水戸さまの前まで送っていった。
そして土手のうえで、母と私とは、薫さんを伴った父と分かれた。
なんでも私はたいへん智慧づくのが遅くって、三つぐらいになってもまだ「うま、うま……」ということしか言えなかったのに、その夕方、おばさんの家で父に逢うと、私はとてもよろこんでしまって、そのとき生れてはじめて「お父うちゃん……お父うちゃん……」と言えるようになった。
夕方、ようやく薫さんの癪もおさまり、浜之助が連れもどることになって、皆して水戸さまの前まで送っていった。
そして土手のうえで、母と私とは、薫さんを伴った父と分かれた。
なんでも私はたいへん智慧づくのが遅くって、三つぐらいになってもまだ「うま、うま……」ということしか言えなかったのに、その夕方、おばさんの家で父に逢うと、私はとてもよろこんでしまって、そのとき生れてはじめて「お父うちゃん……お父うちゃん……」と言えるようになった。