土手下で小さな煙草店をやっていた私の母が、その店を廃めて、小梅の父のところに片づいたのは、私が四つか五つのときだったらしい。
私ははじめのうちはその新しい父のことを、「お父うちゃん」とお云いといくら云われても、いつも「ベルのおじちゃん」と呼んでいた。
そうして町なかにある仁丹の看板をみつけては一人でそれを指して「お父うちゃん」と言ってばかりいるので、母たちも随分手古摺ったらしい。
土手下で小さな煙草店をやっていた私の母が、その店を廃めて、小梅の父のところに片づいたのは、私が四つか五つのときだったらしい。
私ははじめのうちはその新しい父のことを、「お父うちゃん」とお云いといくら云われても、いつも「ベルのおじちゃん」と呼んでいた。
そうして町なかにある仁丹の看板をみつけては一人でそれを指して「お父うちゃん」と言ってばかりいるので、母たちも随分手古摺ったらしい。