父や母につれられて、おばさんの家などに行くと、おばさんにすぐ三味線をじゃかじゃか鳴らして貰って、自分は手拭を頭の上にちょいとのせ、妙な手つきや腰つきをして、「猫じゃ、猫じゃ……」とひとりで唄いながら、皆にひと踊り踊ってみせた。
そんな俗踊をいつのまにか見よう見真似で覚えてしまったのである。
私の生父は、裁判所などに出ていても、謹厳一方の人ではなかったらしく、三味線の音色を何よりも好んでいたそうである。
父や母につれられて、おばさんの家などに行くと、おばさんにすぐ三味線をじゃかじゃか鳴らして貰って、自分は手拭を頭の上にちょいとのせ、妙な手つきや腰つきをして、「猫じゃ、猫じゃ……」とひとりで唄いながら、皆にひと踊り踊ってみせた。
そんな俗踊をいつのまにか見よう見真似で覚えてしまったのである。
私の生父は、裁判所などに出ていても、謹厳一方の人ではなかったらしく、三味線の音色を何よりも好んでいたそうである。