そのときは爺やも奥さんの立場に同情して何んとも苦情を云わずに、その後も昔と変らずに留守を預っておりました。
「が、それ以来、爺やたちは全然収入の目あても無くなった訣ですから、何んで食っているのか、私どもにはさっぱり見当もつきませんでした。
それは丁度いま時分のような夏になろうとする頃で、一方では日向さんの別荘を買いとるや、すぐ新しい普請をしだして、どんどん元の古い家は取り壊しはじめていました。
そのときは爺やも奥さんの立場に同情して何んとも苦情を云わずに、その後も昔と変らずに留守を預っておりました。
「が、それ以来、爺やたちは全然収入の目あても無くなった訣ですから、何んで食っているのか、私どもにはさっぱり見当もつきませんでした。
それは丁度いま時分のような夏になろうとする頃で、一方では日向さんの別荘を買いとるや、すぐ新しい普請をしだして、どんどん元の古い家は取り壊しはじめていました。