爺やたちの住んでいた小家の方は、そのとき一しょにお売りにならなかったので、昔のまま日向さんの所有になっていましたが、夏の借り手は私どもの世話でもう去年の秋からきまっていましたので爺やたちはどうする気だろうと思っていますと、或日、爺やたちは取り壊した別荘の古材木や古ブリキなぞを少し分けて貰って来て、裏の五坪ほどあった空地へもってきて、自分たちの手で掘立小屋のようなものを建て出しました。
何んでも出来る器用な爺やでしたから、何もかも一人でやって、夏の来る前までにはともかくも其処にじいさんばあさん差し向いで暮らせるようなものが出来上りました。
「その夏、その小家は入口の棚に豆の花を相変らず美しく咲かせました。