私はそんな自分の虫の好かない住人達のことよりも、その人達のために取払われた水車の跡が、いまは南瓜の畑かなんかになって、其処にはただ三四尺の小さな流がもとのままに潺々たるせせらぎの音を立てているだけなのに自分勝手な思いを馳せていた。
「しかしその若い息子さん達には、こんな山の避暑地なぞ面白くもないと見えて、八月頃、いつも突然真夜中なんぞにお友達を大ぜい連れて自動車で乗りつけ、一週間ばかり騒いで暮らして、それからまた嵐のように帰って行っておしまいです。
そうしてあとにはまだこの土地に馴染のない他所者の別荘番が残って、村人からも忘れられたように、ひっそりと暮らしているきりです。