そうしてあとにはまだこの土地に馴染のない他所者の別荘番が残って、村人からも忘れられたように、ひっそりと暮らしているきりです。
その晩、私達は宿の二階の部屋に寝転びながら、深沢さんが夕方描き上げて来た雑木林の絵を前にして、いろんなこの村の話をしあっていたが、きょう宿の主に聞いた爺やの話も出た。
「こういう山の村なんぞに流れ込んで来ている爺やなんというものは、それまでは何処で何を渡世にしていたのかも分からん奴が多いんだそうですよ」と私は言い畢えた。
そうしてあとにはまだこの土地に馴染のない他所者の別荘番が残って、村人からも忘れられたように、ひっそりと暮らしているきりです。
その晩、私達は宿の二階の部屋に寝転びながら、深沢さんが夕方描き上げて来た雑木林の絵を前にして、いろんなこの村の話をしあっていたが、きょう宿の主に聞いた爺やの話も出た。
「こういう山の村なんぞに流れ込んで来ている爺やなんというものは、それまでは何処で何を渡世にしていたのかも分からん奴が多いんだそうですよ」と私は言い畢えた。