私はなかなか寝つかれないまま、けさ歩きまわっていたその谷じゅうに自分の持って行き場所のない想いをさまよわせていたが、そのうちにふいにそれが一つのものに落着いたように、その谷かげで見つけた朴の木の花が急に鮮かに浮んで来た。
私はおもわず何かほっとしながら、その真白い、いい匂のする花でもって自分のどうにもならない心をすっかり占めさせて行った。
私はなかなか寝つかれないまま、けさ歩きまわっていたその谷じゅうに自分の持って行き場所のない想いをさまよわせていたが、そのうちにふいにそれが一つのものに落着いたように、その谷かげで見つけた朴の木の花が急に鮮かに浮んで来た。
私はおもわず何かほっとしながら、その真白い、いい匂のする花でもって自分のどうにもならない心をすっかり占めさせて行った。