そのときふと彼は、そういう彼自身の痛ましい後姿を、さっきから片目だけ開けたまんま、じっと睨みつけている別の彼自身に気がついた。
その彼はまだ寝台の中にあって、ごたごたに積まれた上衣やネクタイや靴のなかに埋まりながら、そしてたえず咳をしつづけているのであった。
夜の明ける前、彼はS湖で下車した。
そのときふと彼は、そういう彼自身の痛ましい後姿を、さっきから片目だけ開けたまんま、じっと睨みつけている別の彼自身に気がついた。
その彼はまだ寝台の中にあって、ごたごたに積まれた上衣やネクタイや靴のなかに埋まりながら、そしてたえず咳をしつづけているのであった。
夜の明ける前、彼はS湖で下車した。