そしてそれが、彼の病室の窓硝子が跡方もなく破壊されているからばかりでなしに、その露台に通じているドアがその蝶番ごとそっくり剥ぎとられてしまっているためであることに彼は漸っと気がついた。
硝子の破れる音は彼もうつつに聞いて知っていたが、あんなに巌畳だったドアがこんなにまで破壊し尽されたことを昨夜少しも知らずにいたことが彼を気味わるがらせた。
南アルプスの山頂はまた一面に真白になりながら、いつの間にか彼の窓からずっと後へ退っていた。
そしてそれが、彼の病室の窓硝子が跡方もなく破壊されているからばかりでなしに、その露台に通じているドアがその蝶番ごとそっくり剥ぎとられてしまっているためであることに彼は漸っと気がついた。
硝子の破れる音は彼もうつつに聞いて知っていたが、あんなに巌畳だったドアがこんなにまで破壊し尽されたことを昨夜少しも知らずにいたことが彼を気味わるがらせた。
南アルプスの山頂はまた一面に真白になりながら、いつの間にか彼の窓からずっと後へ退っていた。