七月も末になった或る朝、その「羊歯山荘」に突然、彼は、西洋人の好んで着るような派手な柄のスウェタアかなんぞ着込んで、妙にはしゃいだ姿をあらわした。
手には籐のステッキを持っているきりで、何処か散歩からでも帰ってきたような恰好であった。
――雑草が生いかぶさるようになっている小径の両側には、とりわけ羊歯が見事に生長していたが、それが彼にはあたかも可愛らしい手をひろげて自分を歓迎している子供たちのように見えるらしく、彼を微笑ませていた。
七月も末になった或る朝、その「羊歯山荘」に突然、彼は、西洋人の好んで着るような派手な柄のスウェタアかなんぞ着込んで、妙にはしゃいだ姿をあらわした。
手には籐のステッキを持っているきりで、何処か散歩からでも帰ってきたような恰好であった。
――雑草が生いかぶさるようになっている小径の両側には、とりわけ羊歯が見事に生長していたが、それが彼にはあたかも可愛らしい手をひろげて自分を歓迎している子供たちのように見えるらしく、彼を微笑ませていた。