「みんな私の学校友達なのよ」叔母はそう言っていたが、いずれ叔母に聞いてみればそれぞれ由緒のある貴夫人たちなのであろうけれど、そういう貴夫人たちというものはどんな会話をするものかしらと、一度二階の彼の寝室からじっと耳を傾けて聞いていると、自分の別荘の裏の胡桃の木に栗鼠が出たとか、野菜がどうだとか、薪がどうだとか、そんな話ばかりしているので彼はひとりで苦笑した。
そういう時には、彼は誰にも見つからないように、二階から降りてこっそりと台所の裏へ出て行った。
そこには落葉松が繁茂していて涼しい緑蔭をつくっていた。