この間その家の荒廃した庭のなかへ這入り込んで其処から一時間ばかり眺めていた高原の美しい鳥瞰図だの、一かどのニイチェアンだった学生の時分からうろおぼえに覚えていた zweisam という、いかにもその老嬢たちに似つかわしいドイツ語だのを、ひょっくりと思い浮べながら……。
或る夕方、私は再びそのヴィラまで枯葉に埋まった山径を上って行った。
庭の木戸は私がそうして置いたままに半ば開かれていた。
この間その家の荒廃した庭のなかへ這入り込んで其処から一時間ばかり眺めていた高原の美しい鳥瞰図だの、一かどのニイチェアンだった学生の時分からうろおぼえに覚えていた zweisam という、いかにもその老嬢たちに似つかわしいドイツ語だのを、ひょっくりと思い浮べながら……。
或る夕方、私は再びそのヴィラまで枯葉に埋まった山径を上って行った。
庭の木戸は私がそうして置いたままに半ば開かれていた。