確かに抜け道らしいんだが、その小径は突然外人たちのお茶などを飲んでいるヴェランダのすぐ横を通ったりするのだった。
そういう私道なのか、抜け道なのか分からないような或る小径に又しても踏み込んでしまった私は、私の背ぐらいある灌木の茂みの間から不意に私の目の前が展けて、そこの突きあたりにヴェランダがあり、籐の寝椅子に一人の淡青色のハアフ・コオトを着て、ふっさりと髪を肩へ垂らした少女が物憂げに靠れかかっているのを認め、のみならず、その少女が私の足音を聞きつけてひょいと私の方を振り向いたらしいのを認めるが早いか、私は顔を赤らめながら、その少女をよく見ずに慌てて其処から引っ返してしまった。
――その時若し私がその少女をもっとよく見たら、それが数日前に私が宿屋の裏の狭い坂道ですれちがった数人の少女たちの中の一人であることに気がついて、私の狼狽はもっと大きかっただろうに。