私の「美しい村」は予定よりだいぶ遅れて、或る日のこと、漸っと脱稿した。
すでに七月も半ばを過ぎていた。
そうして私はそれを書き上げ次第、この村から出発するつもりであったのに、私はなおも、そういう一人の少女のために、一日一日と私の出発を延ばしながら、私がその物語の背景に使った、季節前の、気味悪いくらいにひっそりした高原の村が、次第次第に夏の季節にはいり、それと同時にこの村にもぽつぽつと避暑客たちが這入り込んでくるのを、私は何んだか胸をしめつけられるような気持で、目のあたりに迎えていた。
私の「美しい村」は予定よりだいぶ遅れて、或る日のこと、漸っと脱稿した。
すでに七月も半ばを過ぎていた。
そうして私はそれを書き上げ次第、この村から出発するつもりであったのに、私はなおも、そういう一人の少女のために、一日一日と私の出発を延ばしながら、私がその物語の背景に使った、季節前の、気味悪いくらいにひっそりした高原の村が、次第次第に夏の季節にはいり、それと同時にこの村にもぽつぽつと避暑客たちが這入り込んでくるのを、私は何んだか胸をしめつけられるような気持で、目のあたりに迎えていた。