丁度その廊下の映っている鏡に向ってネクタイを何度も結び直しながら、あたかもそれがために何時までも愚図愚図しているかのように装って。
やっとのことで再び姿を現わしたボオイの跡にくっついて食堂の中へはいってみると、食堂と云うのもほんの名ばかりであって、二つの部屋をぶち抜いて、そこに安っぽい花模様のあるクロオスを掛けた卓子が五つか六つ置いてあるきりだった。
中央の大きな卓子にはホテルの主人夫婦が珈琲を飲んでいた。
丁度その廊下の映っている鏡に向ってネクタイを何度も結び直しながら、あたかもそれがために何時までも愚図愚図しているかのように装って。
やっとのことで再び姿を現わしたボオイの跡にくっついて食堂の中へはいってみると、食堂と云うのもほんの名ばかりであって、二つの部屋をぶち抜いて、そこに安っぽい花模様のあるクロオスを掛けた卓子が五つか六つ置いてあるきりだった。
中央の大きな卓子にはホテルの主人夫婦が珈琲を飲んでいた。