しかもそれすら汚らしく枯れたまんまだった。
小さなトランクひとつ持たない風変りな旅行者の一種独特な旅愁。
――私はさっぱり様子のわからない神戸駅に下りると、東京では見かけたことのない真っ白なタクシイを呼び止め、気軽に運賃をかけ合い、そこからそうしつけている者のように、元町通りの方へそれを走らせた。
しかもそれすら汚らしく枯れたまんまだった。
小さなトランクひとつ持たない風変りな旅行者の一種独特な旅愁。
――私はさっぱり様子のわからない神戸駅に下りると、東京では見かけたことのない真っ白なタクシイを呼び止め、気軽に運賃をかけ合い、そこからそうしつけている者のように、元町通りの方へそれを走らせた。