――と見ると、その電車通りに面した二階の窓の一つが開かれていて、それが細長い光りを暗い鋪道の上にくっきりと落していた。
そしてその窓からは、逆光線を浴びているので、年よりなのか若い女なのか見当のつかない、そして髪の毛だけがきらきらと金色に光っている、一つの女の顔が、そのホテルの方へと電車の線路を横切りつつある私たちの方を窺うようにしていたが――それはちょっと無気味な感じだった――私たちがその窓の下までくると、向うでも私たちを恐れるかのように、その窓は閉されてしまった。
私たちは小さな石段を昇り、そこのベルを押した。