何もしないで、こうしてじっとしていることも、後悔なしには、出来ないのである。
やがて若い独乙人夫婦は、めいめい大きな包をかかえながら、この店を出て行った。
JUCHHEIMと金箔で横文字の描いてある硝子戸を押しあけて、五六段ある石段を下りて行きながら、男がさあと蝙蝠傘をひらくのが見えた。
何もしないで、こうしてじっとしていることも、後悔なしには、出来ないのである。
やがて若い独乙人夫婦は、めいめい大きな包をかかえながら、この店を出て行った。
JUCHHEIMと金箔で横文字の描いてある硝子戸を押しあけて、五六段ある石段を下りて行きながら、男がさあと蝙蝠傘をひらくのが見えた。