JUCHHEIMと金箔で横文字の描いてある硝子戸を押しあけて、五六段ある石段を下りて行きながら、男がさあと蝙蝠傘をひらくのが見えた。
私は一瞬間、そとには雪でも降りだしているのではないかしらと思った。
ここにこうしてぼんやりストーブに温まっていると、いかにもそんな感じがして来てならなかったが、静かに降りだしているのは霧のような雨らしかった。
JUCHHEIMと金箔で横文字の描いてある硝子戸を押しあけて、五六段ある石段を下りて行きながら、男がさあと蝙蝠傘をひらくのが見えた。
私は一瞬間、そとには雪でも降りだしているのではないかしらと思った。
ここにこうしてぼんやりストーブに温まっていると、いかにもそんな感じがして来てならなかったが、静かに降りだしているのは霧のような雨らしかった。