何故なら、習慣の錬金術がこうして苦しんでいるものを完全な無関心者(その者にはそんな苦しみの原因が全く莫迦げたものに思われるのだ)に変えてしまい、そうしてその時こそは彼の愛情の対象が消えるのみならず、その愛情そのものさえ消えてしまうかも知れないからだ……
――ふとそんな一節を読みあてた頁から私は目をそらして、私にはまだ慣れきっていない自分の部屋を眺めまわしたのち、それから目をつぶって、今朝のちょっと無気味だった眼覚めを心のうちにまざまざと蘇らせた。
翌朝、私が目をさましたのは昨日よりもまたずっと遅いらしかった。