――ふとそんな一節を読みあてた頁から私は目をそらして、私にはまだ慣れきっていない自分の部屋を眺めまわしたのち、それから目をつぶって、今朝のちょっと無気味だった眼覚めを心のうちにまざまざと蘇らせた。
翌朝、私が目をさましたのは昨日よりもまたずっと遅いらしかった。
例の支那人のボオイを呼んで、朝飯はまだ食わせてくれるかと聞いたら、すこし怒ったような顔つきをして、朝食を食べるならもう少し早く起きてほしい、もう十二時だ、と下手糞な日本語で、それだけ一層そう見えるのかも知れないが、私にかなり突慳貪な返事をした。