震災で何もかも焼いてしまったそれらの写真には、大概、椅子に腰かけた母と、その椅子の背にちょっと手をかけながら立っている父との間に、小さな私はいつも口をきっと結んで、ちょこんと立っている。
青い天鵞絨の帽子をかぶらないで、それを唯しっかりと手に握りながら。
(その大好きな帽子なしには私は決して写真を撮らせなかった……)
震災で何もかも焼いてしまったそれらの写真には、大概、椅子に腰かけた母と、その椅子の背にちょっと手をかけながら立っている父との間に、小さな私はいつも口をきっと結んで、ちょこんと立っている。
青い天鵞絨の帽子をかぶらないで、それを唯しっかりと手に握りながら。
(その大好きな帽子なしには私は決して写真を撮らせなかった……)