その少年はしかしそれにはすぐ答えられなかった。
そう、赤まんまの花なんて、お前ぐらいの年頃には、年がら年じゅうあっちにもこっちにも咲いていたような気がするね。
いわばそれほど、季節季節によってまるでお祭りのように咲く、他の派手な花々に比べれば、それらの地味な花はいつ咲いたのか誰にも気づかれないほどの、そして子供たちをしてそれがままごとに入用なときにはいつでも咲いているかのような――実はその小さな花を路傍などで見つけて、誰か一人がふいと手にしてきたのが彼等にそんな遊戯を思いつかせるのだが――心もちにさせる、いかにも日常生活的な、珍らしくもない雑草だった。