その日々、私は、その無花果の木かげに花莚だけは前と同じように敷かせて、一人で寝そべりながら、そんな実の出来工合なんぞ見上げていたが、ときどき思い出したように跳び起きて、見真似で、その木へ手をかけて攀じ上がろうとしては、すぐ力が足りなくなって落ちてばかりいた。
が、少しずつ手の痛さを我慢できるようになって、それから上へは攀じのぼれないまでも、だんだん一と所の幹にじっとしがみついていられるようになった。
或る日、縁側から、母がそういう私らしくない乱暴な木登りを見ていた。
その日々、私は、その無花果の木かげに花莚だけは前と同じように敷かせて、一人で寝そべりながら、そんな実の出来工合なんぞ見上げていたが、ときどき思い出したように跳び起きて、見真似で、その木へ手をかけて攀じ上がろうとしては、すぐ力が足りなくなって落ちてばかりいた。
が、少しずつ手の痛さを我慢できるようになって、それから上へは攀じのぼれないまでも、だんだん一と所の幹にじっとしがみついていられるようになった。
或る日、縁側から、母がそういう私らしくない乱暴な木登りを見ていた。