そうして何か隠れん坊でもしているように私の背後にかじりついているたかちゃんにふいと冷淡な気もちを感じて、いっそのことその物蔭からお竜ちゃんの方へわあっと云って飛び出してみたいようになるのを、やっとのことでじっと怺えていた。
が、まんまと曳舟通りまで私達が出てしまうと、急に私は機嫌をなおした。
そうして、自分の方から、たかちゃんの手を引張るくらいはしゃいで、その掘割に沿うて、いつも父と散歩にいくのとは反対の方へ――殆どまだ一ぺんも行ったことのない場末の方へずんずん歩き出していた。
そうして何か隠れん坊でもしているように私の背後にかじりついているたかちゃんにふいと冷淡な気もちを感じて、いっそのことその物蔭からお竜ちゃんの方へわあっと云って飛び出してみたいようになるのを、やっとのことでじっと怺えていた。
が、まんまと曳舟通りまで私達が出てしまうと、急に私は機嫌をなおした。
そうして、自分の方から、たかちゃんの手を引張るくらいはしゃいで、その掘割に沿うて、いつも父と散歩にいくのとは反対の方へ――殆どまだ一ぺんも行ったことのない場末の方へずんずん歩き出していた。