そうして、自分の方から、たかちゃんの手を引張るくらいはしゃいで、その掘割に沿うて、いつも父と散歩にいくのとは反対の方へ――殆どまだ一ぺんも行ったことのない場末の方へずんずん歩き出していた。
案内役のたかちゃんの方が、かえって不安そうについて来る位だった。
見知らない、小さな木橋を二つ三つ過ぎると、もう掘割沿いの工場や倉庫なんかもずっと数少なになって、そこいらには海のような野原が拡がり出していた。
そうして、自分の方から、たかちゃんの手を引張るくらいはしゃいで、その掘割に沿うて、いつも父と散歩にいくのとは反対の方へ――殆どまだ一ぺんも行ったことのない場末の方へずんずん歩き出していた。
案内役のたかちゃんの方が、かえって不安そうについて来る位だった。
見知らない、小さな木橋を二つ三つ過ぎると、もう掘割沿いの工場や倉庫なんかもずっと数少なになって、そこいらには海のような野原が拡がり出していた。